satoyamahanako’s blog

里山で炭を焼いて暮らしています。

炭焼きの山仕事

炭焼きは原木の多く生えている雑木山を選んで伐採権を購入し伐採します。
雑木山ですから、原木だけが生えているわけではありません。椎も桜もナラも栗もクヌギもイチイも、とにかくいろんな雑木が生えています。
それらも全部チェンソーで伐ります。
そして、原木と薪に分別します。
うちの場合、薪にも幾種類かあるので、その種類ごとに手作業で分けていきます。製炭過程でこの時期はこの樹種でこの時期はこの樹種とかいうのもありますし、この樹種でこの太さは薪ストーブ用、この細さはお風呂用とか、あるわけです。
原木はここ、椎はここ、ナラ、クヌギはここ、といった具合に1本1本手作業で分けていきます。
 
林業専門でやっている人たちは、雑木山を伐採するとしたら、大型機械でひと山ガーッと伐採してしまって、伐採した木すべてをバイオマス発電所に持って行くほうを選びます。
そのほうが効率よく利益をあげられますから、無理もないことです。
 
10年くらい前までは、炭焼きがやっているような木の伐り方をしている人は、数は多くはありませんでしたが、まだいました。
仕事でやっている人もいたし、自分の山をそうやって伐っている人もいました。
それぞれの木の特性を活かした使い方をして暮らすのが当たり前だった時代に仕事を覚えた人たちは、生活技術として身についているからです。木の特性を無視したひと山ガーッ式は、いくら効率が良くて収益性が高くても、もったいなくてやれなかったのです。
炭焼きはそんな時代のやり方を引き継いでいます。手間はかかるし体力的にもきついのですが、自分の手で木に触れて全身の力で木とつきあう、ただ作業をこなしているだけではない充実感と爽快感はあります。