satoyamahanako’s blog

里山で炭を焼いて暮らしています。

高齢者一人暮らし

うちの猫がご近所のお宅にご迷惑をおかけしたことがあって、謝罪に行った。
Aさんは堪忍袋の緒が切れたという口ぶり、Bさんはご近所なんだしお互い様、わたしももっと年取ったらお世話になることがあるんだからと明るかった。
この物言いの温度差は2人の境遇の違いからくるのかもしれない。
後からそう思いいたって切なくなった。

Aさんは70代前半、夫と2人暮らし、近所に子供夫婦がいて、孫も含めてしょっちゅう行き来があり、離れて暮らす子供夫婦も折々に帰省してくる。
Bさんは70代後半、夫と死別して1人暮らし、村内には近しい親戚がほとんどおらず、子供たちも離れて暮らしていて、頻繁には帰ってこられない。
2人とも高齢者だけど、2人暮らしと1人暮らし、頼れる親戚が身近にいるAさんといないBさん、暮らしの上での心細さが全く違うわけだ。

わたしはお隣のCさん(80代後半)に頼まれて、ガス台の修理依頼の電話をかけたり、村では買えない商品を買ってきたりなど、ちょっとしたお手伝いをすることがある。
Bさんはそれを知っているのだと思う。
自分がもっと高齢になって今のように自分で自分の面倒を見られなくなったとき、わたしに頼み事をすることがあるだろうと考えているのだ。
だから「お互い様」という言い方をしてしまう。
Aさんは身近に子供たちがいるから、将来、誰か他人の世話になる可能性が頭に浮かんでこない。
だから強い口調で物が言える。
Bさんも親戚が多かったら、もっと言いたいこと言えたんだろうな、と切なくなったのだ。
文句を言われたいわけではないけど、人の機嫌を気にしなくてはいけない高齢者を見るのも辛い。