satoyamahanako’s blog

里山で炭を焼いて暮らしています。

お客さん訪問

うちの炭を使ってくださっているお客さんのお店に配達がてら食事に行きました。今回が初めての訪問です。
頻繁にお邪魔して、お仕事を拝見したり希望を伺ったりして仕事に反映させたいのですが、車で片道3時間近くかかる場所なので、ままなりません。とはいえ炭のお客様のうち、そのお店がうちから一番近いのです。
コロナ禍になってからはなおさら行きづらくなってしまっていました。

開店時刻ちょうどに入店すると、半分以上のテーブルに予約席の札が置かれていました。伺った日は予約が少なくてそんなに忙しくない日だと事前に伺っていたのにこの予約数、お店の人気ぶりを知ると同時に、こんなに大勢の人が気軽に飲食店に集まれるようになっているんだということに驚きました。わたしの暮らす「世の中」と多くの人が暮らす「世の中」はこうも違うんですね。
村では高齢者が多いせいか、まだコロナへの警戒感が強く、人が集まることも遠慮がちにひっそりと行わざるをえません。
ただでさえ静かな山村が、いっそう動きの乏しいひっそりと停滞した場所になっています。

ご店主が焼き台でお仕事なさる姿を拝見しながら食べる鶏の味は最高でした。
料理に舌鼓をうちながら談笑するお客さんたちの様子を眺めながら、こんなに美味しい料理とお客さんの笑顔に貢献できているなんてと幸せを嚙みしめました。

わたしはこんなふうに喜びに満ちた時間と空間のために仕事をしているのです。

サッカーに例えると、焼き台を務める料理人がフォワードで、美味しい料理にお客さんが満足してくださることがゴールです。炭焼き職人や農家さん、焼き台を作る職人さん、調味料を作る人販売する人、それらを運んでくれる運送屋さんなどなど、大勢の人がフォワードに良いパスを送るべく走り回っている、そんなイメージです。
わたしたちの蹴ったボールをうまく使って、お客さんに満ち足りたひと時を提供しているフォワードご店主にも感謝の気持ちでいっぱいになりました。

店を出るとかなりの人通りがあって驚きました。
都会ではもうかなり気軽に出歩いているという噂は耳にしていましたが、目の当たりにすると感慨深いものがありました。
状況は動いているんだなあ。いつまでも閉じこもりっぱなしでいなきゃいけないわけじゃないんだなあ。