satoyamahanako’s blog

里山で炭を焼いて暮らしています。

自分の感受性くらい

最近、漢方薬を飲み始めました。毎年の健康診断では問題なしという結果なのだけれど、疲れやすいとか眠りが浅いとか気になることはあるから問診を受けてみたのです。
「夜何度も目が覚める感じですか?」
「そうですね、お手洗いに起きたり、ふと目が覚めたり・・・あと猫に起こされます」
「猫ちゃんですか・・・それは仕方ないですかねぇ?」
「はい、仕方ないです」
という会話をしていて可笑しくなりました。ぐっすり朝まで眠りたいのですが、猫は仕方ないのです。夜中に何度起こされようとも。

胃腸をいたわり、自律神経を整える処方をしてもらいました。
胃腸が弱いから、油、脂、砂糖、パンは控えるようにと言われました。美味しいものばっかりですよ。
夫も胃腸が弱いらしいので、同じメニューを食べられるのはいいけれど、油が使えないとなると献立を考えるのがちょっと大変になりました。てんぷらは論外としても、炒め煮とかもだめですもんね。おなかが空きやすくなりました。

先生との会話のなかで、わたしは今が人生で一番体調がいいです、中高生の時が一番体調が悪かったです、ストレスの多い家庭環境で育ったので、と話したら、「中高生の時期っていうのは身体を作る時期ですから、その時期に大きなストレスを感じていると内臓も含めて健やかに成長できないことがあります」と教えてくれました。
また成長期の大きなストレスは、脳の中の偏桃体というストレス反応に重要な役割を果たす部分を大きく育てることになってしまい、大人になってからも恐怖や不安を感じやすくなったりするのだそうです。
(以上、わたしの記憶に基づいて書いているので、事実と異なる部分があるかもしれません。要は、成長期の大きなストレスが身体の健やかな成長を妨げ、大人になってからの体調不良などにまで影響を及ぼす可能性があるということです)

でまあ、わたしの頭をよぎったのは、中高生時代のわたしの体調不良をののしる母親の声と姿であり、「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」という茨木のり子の詩の一節でした。
母はわたしの体調不良が自分にも原因があるとは認めたくなくて、わたしを責め続けたのだろう、哀れな人だと思っています。わたしをののしることでしか、自分の感受性もプライドも守ることができなかったのだろう、大変な生き方をえらんだものだなあとも思います。生き方なんていつでも変更可能なのになあ。
茨木のり子の詩集は両親の本棚で見つけました。うちの母は何を考え感じながらこの詩を読んだのだろうと思ったのでした。道徳の教科書を読むように読んだような気がするなあ。