satoyamahanako’s blog

里山で炭を焼いて暮らしています。

移住なんてしたくなかった その3

そんなこんなで、移住して15年くらいになる。
炭焼きは私たちにはぴったりの仕事だった。
直感は当たるのである。
村の生活に慣れ、村の生活いいかも好きかもと思えるまで10年はかかったが、その10年の間でも炭焼きになったことを悔やんだことは一度もない。

 

余談だが、直感で炭焼きになることを決めたものの(直感で決めて、後から先行投資だの住環境だのなんだの確認して、よーし出発進行!となった)、いささか不安もあった私たちは、京都の晴明神社で占ってもらうことにした。
とてもよく当たると聞いたからだ。


「炭焼き?とても向いている。絶対にやりなさい。どこに住むの?〇〇県のこの辺り?とても良い場所を選んだね」
向いているとか良い場所だとか良いことばかり言われて、ネガティブなことを一つも言われないと、それはそれでホントかな?と疑いの気持ちが湧いてくるものである。
いや、自分たちでも向いてるんじゃないかなーなんて思ったりしてたんですけど、あの、これ以外ないっていう感じで断言されてますけど、なんかこうないんですかね?なにか。よくわかんないですけど、向いている以外になんかないんですかね?
でも「本当ですか?」以外の言葉が口から出てこない。
「本当です」と言われておしまい。
「あんたたちは伝統的なことをやったほうがいい。村に伝わる伝統のなにか、太鼓とか、なにかあるはずだ」
太鼓・・・音楽的センスのない我々が太鼓・・・田舎の濃い人間関係に巻き込まれそうだな無理じゃないかな・・・(伝統的ななにかってなんだろうと思いつつ早や15年。まだなにもやっていない)
最後に夫が「私たちが村で果たす役割みたいなものはありますか?」と質問したところ、「人助け」と一言。
「人助け・・ですか?」
「そう人助け」
人助け?・・・全然人好きではない我々が人助け?(人助けってなんだろうと思いつつ早や15年。特になにもやっていない)

もう一つ余談だが、運命学の先生にも炭焼きは天職だと言われた。
正確に言うと、わたしにとって天職で、夫にとっては天職まではいかないけれど、向いている職業ではあるそうだ。
「よく天職を見つけましたね。あんまりにもぴったりな職業で鳥肌が立ちました」
と感心したように言われたが、本人にはピンとこず。
私たちは、これだ!と思えるまでプラプラしてただけだったから。